考える猫

震災さなかの選挙

政権交代後初の、そして大震災後間もない中で統一地方選が行われた。全国的には民主の敗北らしい。自民の議席はおおむね安定、みんなの党や地域政党の躍進が伝えられた。

自分の住む地域を見てみると、大震災を受けて具体的な政策を打ち出すわけでもなく、選挙カーを自粛するのしないの、ほとんどの有権者にどうでもいいところで小競り合いをして終わってしまった。震災、原発、計画停電と立て続けに生活が脅かされ、候補者のほうも練り直せなかったのかもしれないが、だいたいが抽象的な訴えで残念だった。結果、投票率はかなり下がってしまった。選挙を延期すべきだったとは思わないが、この投票率は報道する側も重く受け止めなければいけない。

こちらは全国で言われているほど民主敗北という感じはない。組織のバックボーンがある新人候補が大量に票を集めた一方で、自民現職が「最近の評判」「首長選のしこり」といった理由で落選している。地方はまだまだ政党・政策より利害や地縁、好き嫌いということか。

ひとつ、今回の選挙が意味を持つとすれば…自粛問題の総括から展開する、ネット解禁を含めた選挙運動の議論の高まりだろう。
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# by fugaku38 | 2011-04-11 01:54 | 報道

震災で見えてきたもの③面立ての皮肉

これまで、「普通」の災害の取材はこんな流れだった。こちらの新聞社の場合。

発生→被害現場の雑感、おどろおどろしい写真、被害者が亡くなれば人となり、不安を募らせる住民、行政発の情報まとめ→何日かこの繰り返し、行政の対策→復旧に向けた動き、このあたりから家族の絆などを伝えるちょっと泣ける記事が増える→発生から●週間、●カ月→風化を防ぐ動き

これらはたいてい一面と社会面に掲載される。しかし、今回決定的に違うのは生活面の充実である。今日はどこのスーパーが早く閉まるとか銀行のATMが稼働しているかどうか、ガソリンは、牛乳は、水はまだ品薄なのか。平時ならほとんど気に留めない情報を、いま読者が最も欲している。これほど新聞と読者の距離が縮まったことはないかもしれない。それは新聞社や記者が傍観者ではなくなったからだろう。

新聞は一面、社会面、地域面、経済面などと各面ごとの性格がだいたい決められていて、読むのに便利でもあり書き手にとってはかなり窮屈でもある。当事者として大災害を迎え撃つページが、日ごろ重要視していないため人材を割いていない(少なくとも弊社は)生活面とは皮肉だ。これを機に、ストレートニュース頼みの紙面づくりをあらためられればいいのだけれど。
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# by fugaku38 | 2011-04-05 23:54 | 報道

震災で見えてきたもの②寄付の心持ち

震災後、全国からものすごい勢いで義捐金や救援物資が集まっている。
そこで思い出されるのは、ほんの2カ月前に世間を騒がせていた伊達直人さんたち。あの時はタイガーマスクだったりAKBだったり名前を伏せるのが主流だったのに、今回は募金しに来ましたけど名前は新聞に掲載されても構いません、いやむしろ積極的に載せてほしいとこちらの新聞社にもたくさんの人が訪れている。何が違うのだろう。

いち早く国内外のセレブリティや大企業が何千万、何億と寄付を表明したから時流に乗る動きができたのかもしれない。でもそれより、自分が被災地のために何かできた証拠がないと不安になるからではないかと思う。

自分は電気も通って食べ物も暖かい家もあってのうのうと暮らしているのに、と被災者に申し訳ない気持ちでいる人は被災地から遠い場所ほど多いだろう。自分にできることは寄付くらいしかなくて、それが被災地にどう役立つかも分からない。大きな役に立てる額でもない。でも第三者からあなたは被災地のために寄付をしましたとお墨付きをもらえばそんな不安も和らぐのではないか。

でも、所詮は自己満足だ偽善だと寄付した人を批判するのは早計だ。やらない善よりやる偽善、今回の震災に関する取材をしながらこの言葉が何度も身にしみた。寄付した側がどんな心持ちだろうと、被災者はそれどころではないし関係ないのである。義援金は多ければ多いほどいいに決まっている。私も月給の1割くらいは出せるようにがんばろう(小出しで)。全国から集まった膨大なお金が一日も早く被災者の生活を建て直すきっかけになることを祈るばかりだ。
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# by fugaku38 | 2011-04-05 00:39 | 報道

震災で見えたもの①情報弱者と新聞

東日本大震災で、色んなものが見えてきた。何となく気になっていたけどそのままスルーしていたこと、想像はしていたけど想像以上だったこと。テーマごとに書いていきたい。

今回の震災ではツイッターやフェースブックなどのソーシャルメディアが威力を発揮した。電話もメールも通じない時にツイッターではやりとりができた。被災者の安否や支援情報、原子力の専門家による解説ツイートなどは本当に役に立っている。もちろんそこには、デマや誤認情報も多分に含まれている。

そこに新聞が入り込む隙間がないかと言えばそんなことはなくて、ネットに接続できない環境に置かれた避難者や、ネットに不慣れな中高年以上の世代にとっては貴重な情報源になっている。こちらの新聞もイベントが中止になったとか、お店が何時まで開いているかとか連日生活情報を掲載していて、読者に非常に好評だという。

先輩と取材のネタについて話し合っていた時、私が「ソーシャルメディアが大活躍って、どうですかね」と投げかけ、先輩から「そういうのをできない人がうちの新聞を読むんだから」と言われてはっとした。弊紙の愛読者は中高年以上が多いのは認識していたが、この震災を機にますますその傾向が強まるのではないか。新聞は情報弱者のためのものになっていくのではないか。それはたぶん、新聞を作る側、特に経営陣がすでに情報弱者になりつつあるから…。

私はこれまで、うちの新聞は中高年以上が読んでくれればいいと思っていた。無理に若年層に媚を売ってポップな紙面を作っても何も効果はない。今の若い世代だって歳を取るにつれ自分の住む郷土に愛着がわき、歴史を知りたくなり、その時にうちの新聞が知的好奇心を満たす役割を果たせると信じていたからだ。でも、それが年代の問題ではなくて情報格差の問題だったら話は大きく違ってくる。30年後の70代は人数は多くても、ネットに親しみのない人はごくわずかだろう。地方紙の未来はまだまだ暗くないなどという考えは甘かった。

では、どうする?その答えもヒントも、たぶんこれから長期化するであろう震災と原発事故、それに伴う生活への影響をどう報じていくかに隠されているはず。それが見つけられなかったら、新聞記者としてこの震災に立ち会っている意味を失うように思う。
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# by fugaku38 | 2011-04-03 22:44 | 報道

だてなおと

伊達直人、って知っていましたか?

最初ニュースでこの名前を聞いたとき、んでダテさんって人のコメント取れたのかしらんと本気で思っていた。

いまや全国でタイガーマスク現象が起こっているわけだが、いいことも悪いこともみんなでやらないと自信がないのだろうか。明らかにメディアに取り上げられること前提で行われているし。何が人情列島だ、これがちょっと違う方向へいけば手のひら返しで悪意の嵐、嵐、嵐になるのに。寄付なんて毎日のようにどこかでだれかが行っているのだから受けた人は感謝して周りは放っておけばいい。どっかの企業が福祉団体に車を寄贈したとかさ。ほかに伝えるべきニュースはたくさんある。でもタイガーマスクを名乗る小学生が恥ずかしげに文房具を置いて立ち去ったなんて話はちょっとほっこりしてしまった。くそぅ。
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# by fugaku38 | 2011-01-14 02:06 | ひとりごと



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